成城学園創立60周年を機に創設された成城大学法学部は、2017年、成城学園創立100周年とともに創設40周年を迎えることができた。この間、1987年には、大学院法学研究科博士前期課程を、また、1992年には、同博士後期課程を開設し今日に至っている。
成城大学法学部は、法的なものの見方・考え方を身につけることをめざし、現代の法律学を体系的に学ぶことによって、深い理解力、確かな判断力、豊かな創造力をもった人材を育成することを、その教育の目標として掲げてきた。この目標を達成するため、これまで様々な改革や教育・研究環境の整備を行ってきたが、この間における特筆すべきこととしては、教育カリキュラムの改革と法学資料室の整備をあげることができるであろう。
本論文集は、「研究なくして教育なし」という大学の原点に立ち返り、これまでの研究成果を公にし、研究の場としての大学の使命を果たすことにより、成城大学法学部40周年を記念しようという趣旨で企画されたものである。
(法学部創設40周年記念論文集 序文より)
序 文 | 山本輝之 | |
1. | 番組編集準則の規範力 | 西土彰一郎 |
2. | 祭祀を巡る紛争の変容と民法897条 ――大阪高裁平成30年1月30日決定を題材として―― |
川淳一 |
3. | 消費者撤回権の制限法理 | 山本弘明 |
4. | EUにおける立体商標の保護と登録拒絶事由の解釈 ――近時のEU司法裁判所判決を中心として―― |
今野裕之 |
5. | 改正臓器移植法の課題への対応 | 鋤本豊博 |
6. | 改正臓器移植法の課題への対応 | 町村泰貴 |
7. | 〈研究ノート〉GPS捜査事件最高裁大法廷判決を振り返る ~法理論と法実務のクロスオーバー |
指宿 信 |
8. | 多国籍軍に対する国連安全保障理事会による統制可能性の検討 ――その内在的な分権性に着目して―― |
佐藤量介 |
9. | 〈研究ノート〉国際司法裁判所における対世的義務と民衆訴訟 ――南西アフリカ事件(1966年)からマーシャル諸島事件(2016年)まで―― |
川﨑恭治 |
10. | フランス語憲章による公共の表示・商業広告の規制と適用除外制度 | 浦山聖子 |
11. | 自治体における公衆衛生獣医師職員の役割 | 打越綾子 |
12. | 日本陸軍の対ソ政策――「反ソ防共」から「連ソ容共」へ―― | 田嶋信雄 |
13. | 原発推進国家としてのチェコとスロヴァキア ――旧東欧諸国における原子力政策の事例研究―― |
福田 宏 |
14. | 越境する日系人の表象 ――『二つの祖国』と『山河燃ゆ』をめぐる日米での論争から |
佃 陽子 |
15. | オペラ座に幽霊はいない いかにフランス的理性主義は超自然現象を追放しようと試みたか |
永井典克 |
16. | 誤動作,焼損,消失 イルゼ・アイヒンガーの散文詩「街の中心」について | 日名淳裕 |
17. | モダニズムを乗り越えて ――19世紀から20世紀への世紀転換期におけるドイツ語圏の文学及び芸術の諸相 |
平野篤司 |
《特別寄稿》 | ||
18. | 〈研究ノート〉West v. Mead控訴審判決 | 成田 博 |
19. | 大学法律図書館の課題と展望 ――成城大学法学資料室の地下拡充移転を通して―― |
隈本 守・金澤敬子 |
執筆者紹介 | (巻末) |
出版社:信山社出版
出版年月日:2019/03/30
ISBN:9784797260991
判型・ページ数:A5変・498p
本体価格14,200円 +税