成城大学法学部は、法学部、学科としては法律学科のみですが、そこには政治学や国際関係等の分野の専門科目も含まれています。法学部では、創設以来、「国際的視野に立った法律学」を身につけ、これを実践する人材の育成を教育の基本理念としてきました。このような理念を実現するために、法学部では少人数教育の下で、学生の自主性を尊重しつつ、外国法も含めた法律専門科目の体系化とその充実をはかるようにカリキュラムを組んでいます。また、法律を学ぶには人間(個人)とその社会生活を分析し、理解する能力を必要とすることから、外国語を含む語学をはじめ、その他教養科目の教育にも大きな比重を置いています。
こうした観点から、法学部のカリキュラムは、教養科目、外国語科目、体育実技を包括した基礎部門と、専門科目、演習科目を包括した専門部門とに大別されて編成されています。基礎部門では、学生の自主性を尊重すべく、大幅な選択制がとられており、1年次から4年次にわたって、専門科目と並行履修できるようになっています。専門部門では、憲法、刑法、民法、商法などの基本的な専門科目を中心に、必修科目(5科目)と選択必修科目(13科目中9科目)を設けています。選択科目のなかには、伝統的な科目のほかに、環境法や知的財産権法、消費者法等の科目を設けて、社会の進展に即し、時代のニーズに応えられるようにしています。また、国際化の進展のなかで国際的視野をひろげていくべく、 EU 法をはじめとして外国法の重視もはかっています。
さらに、法学部、ひいては成城教育の特色である少人数教育を徹底すべく、2年次では必修の基礎演習を設け、3年次では必修の専門演習を設けて、少人数を定員とするゼミナールを開講しています。基礎演習では、主に専門科目の勉強への意欲と、その充分な理解へとつながる「法律的なものの見方・考え方(リーガルマインド)」の習得のための基礎となる勉強をします。また、専門演習は、複数の演習に参加することが可能となっており、意欲ある学生にとって知識と経験を蓄積し、能力をさらに向上させる絶好の機会を提供しています。そのほか、法曹や公務員をめざす学生のために、専任スタッフのほかに他大学の教員や弁護士等の実務家を講師とする法職課程を設けています。
なお、法律を勉強する際には、法令や判例を参照しなければなりませんし、多くの文献を読むことが必要不可欠となります。法学部ではそのために、図書館にある書物のほか、法学資料室にある内外の法令集、判例集などの各種資料も学生諸君が容易に利用できるようにしております。